Funeral Masters Club
Seminar Report vol.7

【FMC会員限定】

「持続可能な葬儀」に向けてプラットフォームを強化し、
葬儀社のパートナーシップを
活性化
する施策について

フューネラルマスターズクラブ(Funeral Masters Club)

フューネラルマスターズクラブ(Funeral Masters Club以下、FMC)は、6月9日(水)に東京ビッグサイト 青海展示棟Bホール(東京都江東区)において6月9日(水)~11日(金)に開催された、日本最大の葬祭・セレモニー産業総合展『セレモニージャパン2021』主催の専門セミナーの一環として、FMC会員限定のセミナーを行いました。

新型コロナウイルス感染防止対策の緊急事態宣言下では、オンライン形式で行われてきたFMCセミナーでしたが、久しぶりのリアルセミナーとして開催されました。
ゲスト登壇者におくりびとのお葬式 木村光希(きむらこうき)代表を迎え、FMCからは株式会社めもるホールディングス 村本隆雄(むらもとたかお)代表取締役、むすびす株式会社 中川貴之(なかがわたかゆき)代表取締役社長が登壇しました。

フューネラルマスターズクラブ(Funeral Masters Club)

今回、『「持続可能な葬儀」に向けてプラットフォームを強化し、葬儀社のパートナーシップを活性化する施策について』をテーマにした理由は、2月に生活協同組合コープさっぽろとむすびす株式会社が北海道における葬祭事業のプラットフォーム構築に向けた包括連携協定を調印したこと。これを機にプラットフォームに参加する道内パートナー企業の第1号として株式会社めもるホールディングスが「コープの家族葬」を提供することに起因します。

また、ゲスト登壇者の木村代表は、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』でも取り上げられた納棺師であり、スタッフ全員が納棺師の「おくりびとのお葬式」というブランドの葬儀社を全国で13店舗運営されています。

さらに木村代表は、東京23区の火葬の約7割を担う東京博善株式会社の親会社である株式会社廣済堂が立ちあげた株式会社広済堂ライフウェル(旧:KOSAIDO Innovation Lab)の代表取締役に就任され、「納棺の儀」をはじめとする様々なサービスにパートナー企業として携わっています。

従来、葬儀社同士が互いに手を組むことは、なかなか見られなかったものが、これからの時代こうした垣根を超えて行かなければ難しい状況に入ってきた背景。地域によって違う葬儀社同士の横のつながり、コンタクトセンターの可能性、搬送業務についての考え方、パートナーシップの役割分担や課題解決のヒントまで、多岐にわたってディスカッションが行われました。

フューネラルマスターズクラブ(Funeral Masters Club)

フューネラルマスターズクラブ(Funeral Masters Club)
むすびす株式会社
中川貴之 代表取締役社長のコメント

自分たちが、何かで上手くいっているならシェアしたほうがいいと思います。情報というものは、広く展開していくことが大事だと認識しています。

僕は、経営していく過程で新しいことをやるんですが、当初それは“きわもの”だとしても、本当に価値あるものならスタンダードにならなくてはいけないと思っています。 スタンダードになるというのは、みんなが真似することなんですよね。

それを自分たちだけで抱え込んで、情報を外に出さないとしたら、その会社はニーズがあれば独り勝ちして利益率も高いかも知れないけれど、結局はスタンダードにならないので、集客やプロモーションのコストは後になって跳ね返ってくる。

自分の経験を話すと、ちょっとヘンテコリンなお葬式をやりました。
それを業界誌や展示会やいろんな媒体の取材を受けながら、包み隠さずお話して同業者にオープンにして来ました。 その後、インターネットで集客するみたいなことをやって、ある一定の効果が出たので、みんなも取り組んだほうがいいですよ、という話をし続けてきた。
その流れでシステム化に取り組んでいます。

でも、それをやって痛感したのが、これを葬儀社がやるのは大変だということです。 こんなことやってたら本業の葬儀の仕事が手につかないと。

我々が何故それをできたかと言うと会館を建てなかったからです。 その分の資金をシステム化に使えたんですよね。そういう条件が揃っていたので、そこに注力できたわけです。 しかし、会館は建てます。地域の活動もやります。24時間しっかりサービスします。いろんなことに気を遣いながら、やれWEBだとか、システムだとか言ってたら、これはもうたまったもんじゃない。

それで売上が上がって利益が上がればいいですけど、世の中の潮流として下がっていく一方なんですよ。こうした状況で健全な業界を保つためには、システム化の部分を葬儀社さんが触らなくてもいい環境をつくらないと厳しいと感じました。

世の中のIT化、インターネット化は止められません。葬儀業界だけが「やりません」と宣言することはできない。否が応でもこの流れには乗っからなければならない。 しかし、弊社のように自分たちでホームページを作って、それをグルグル回して、おまけにシステムも開発してなんて土台は無理な話です。無理というよりも、やらなくていいんじゃないのと思ったわけです。

我々は、そんなことを長年に渡って経験して来たので、それじゃあ自分たちが先んじて手がけてきた、この業界特有のWEBマーケティングだったり、葬儀業界の独自のシステムだったりを同業者にシェアしていくことで、本業である葬儀にきっちり向き合える環境を提供できるんじゃないかと、そんなことを思って事業を進めさせて頂いています。

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株式会社めもるホールディングス
村本隆雄 代表取締役のコメント

我々が北海道の中では先駆けて家族葬に特化した専用ホールを造ったとき、道内外を問わず多くの同業者の方が見学にいらっしゃいました。普通であれば自分たちが工夫して造りあげた施設を見せたくないでしょう。けれど、私の場合は逆で「別にいいじゃないか」と思っていました。商圏が被っているわけでもないし、これから葬儀業界も変わってゆくだろうと。

私は昔から、「情報は自分から出さないと、相手から情報は貰えない」と考えてきました。それと自分たちは“箱”を真似されても、ソフトは真似できないという自負があったことも、情報をオープンにしてきた理由の一つです。

コープさっぽろさんとのパートナーシップ協定に引きつけてお話をすると、コープさっぽろさんはサッポロドラッグストアーという北海道でかなりシェアをもっているドラッグストアと包括業務提携契約を結んでいます。

コープさんはスーパーですが、フロアの一角にコープドラッグというクスリ売場があります。サッポロドラッグストアーは薬屋さんですが、フロアの中で生鮮食料品も扱っている。
本来は商売敵なんです。

ところが、その商売敵がお互いに手を結んで何をしたかと言うと、コープさんはスーパーが本業なので生鮮食料品の仕入れのノウハウを相当もっている。
そこで自分たちが仕入れた生鮮食料品を、サッポロドラッグストアーさんにも提供する。
逆にコープさんはクスリが本業ではないので、サッポロドラッグストアーさんのクスリの調達のほうが適っているから、それをコープさっぽろさんも使う。

こうした事例は世の中にいっぱいあって、たとえばトヨタ・スープラがBMWとシャシーを共有しているのは、今ではどこの業界でも当たり前です。
しかし、葬儀業界だけは共有とか連携などに関しては、まだまだ消極的なんじゃないかと思います。

現在、中川社長と一緒に週一でコープさっぽろさんとミーティングをしています。

プロジェクトの中心で役割を担わされて頂きながら、「怖いな」と感じているのは、もしかしたら北海道のコープが我々、葬儀業界のゲームチェンジャーになってしまうかも知れないということです。

何故そう思うのかと言うと、コープさんは葬儀をマネタイズ、収益の場としない発想を持っています。
そうは言っても、原価は掛かりますので、その原資はどこから持って来るのかというと、コープさんは一顧客あたりの生涯売上でものを考えています。
日々の生活をとおしてコープで食料品を買ってもらったり、クスリを買ってもらったり、灯油を買ってもらったりすることで、一人あたり数百万円の生涯売上があります。その一部を葬儀のために還元するという考え方です。

コープの組合員さんが北海道の人口の三分の二も居ることを考えたら、ゲームチェンジャーになるかも知れないという話です。 根本的に僕らがやってきた手法がまったく通用しない時代に突入する可能性がある。

おまけにコープさんは全国各地にある。特に札幌と神戸のコープは二大巨頭と呼ばれていて、ここがやりだすとほかの地域のコープも右にならえで始める可能性が高い。
現在、僕らはその中心に関わりつつも葬儀業界全体のことを考えたとき、モンスターみたいなものが出てくる可能性があることを正直に感じています。

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おくりびとのお葬式
木村光希 代表のコメント

村本社長と中川社長のお二人が話されていることに、ピンと来てるようで、まだピンと来てないというのが正直なところです。

お二人の言わんとしている事はわかりますが、とはいえ葬儀場をいっぱい造って、葬儀の受注をしっかり頂いて、売上と利益を出していくっていうのが、僕の頭の中には根強くあります。
その考え方を変えるには、そもそも自分の中の思考をチェンジしなければならない。
ゲームチェンジャーが現れたとしても、自分の思考が変わっていないのが会社さんは結構、多いんじゃないかなと思います。

僕たちの仕事は当たり前に集客もしなければいけない、葬儀もしなければいけない。
そうした中でお二人と関わらせて頂いて、コープさんの動きを見るにつれて、取り合えず葬儀場を造るのは止めようかなと思い始めました。

一回ちょっと止めてみないと分からないと。それで事業計画をすべて引き直したいと考えています。
そもそも自分たちの強味って何だっけということを改めて考え直して、本当に僕らはコンビニ型の葬儀場や家族葬会館を造りまくることが社会にとって良いことなのか。自分たちがやるべきことなのかっていうのを、もう一度考え直そうと思っています。

もしかしたら、僕たちは葬儀場でなくとも、たとえば介護施設に行って素晴らしい葬儀ができるかも知れないし、パートナーの東京博善さんの施設を、僕ら自身がより良く変えることができれば、よりクオリティの高い葬儀を、僕らは箱を持たずに提供できるかも知れない。
そんな風にちょっと自分の中で大きく思考を変えてきました。

そうすると、このエリアには何店舗を出そうとか、その資金をどこから調達して来ようとか、そこに自分の労力が掛かっていたものが、今度は違うところに労力を使えるようになって、自分たちの強味の本質にかなり力を入れられるようになりました。

それで、ピンと来ているようで、ピンと来ていなかったものが、最近はピンと来ている割合が大きくなったような気がします。
わからないときは取り合えず行動してみて、自分で動いてみて、気づくことがあるんだなと思うので、お二人の言っていることを信じて飛び込んでみようと考えています。

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